今週 ごぶサタデー『いい本この本』のコーナーで紹介する本は、こちら。
現役の新聞記者 田村優之さんの書いた「青い約束」(ポプラ文庫)。
この本、読み出してから止まりませんでした。
もう寝なくちゃいけないのに、もう少し、もう少し…とこの数日寝不足になっていました。
読後、しばらくじっと目を閉じて、じんわり伝う 涙のぬくもりを
いつまでも感じたいと思ってしまいました。
30代40代のビジネスマンに支持されている隠れた名作だそう。
これは、女性より、男性がやられちゃう本だなと思いました。
「守るべきものって何だ?」「守りたいものって何だ?」
そんなことを問いかけられているような気がします。
証券アナリストと経済担当の新聞記者のかつて高校時代に親友だった2人が、
20年ぶりに偶然再会。2人はある事件をきっかけに疎遠になり、恋人までも奪われてしまった。
しかし、青春時代にすれ違った本当の親友の思いを20年ぶりに聞き衝撃を受けるという内容。
随所に経済の話が盛り込まれ、最前線で働く男たちの現在と、
そんな男たちの心の奥底に秘められた過去の忘れられない傷を描く。
人生にはどうにもならない理不尽さがあり、
それでもなんとか折り合いをつけながら生きている40代が、瑞々しい頃の真っ直ぐな思いに触れ、
自分の中の自分、そして親友の中の本当の思いに気づいていく。
20年の時を超えて。そして恋人が残した思いも。。。
離婚した修一、結婚はしたが思い半ばの有賀、人生は思い通りにならない、
だからこそ、人との関わりあいが、より大切になるのかもしれない。。。
切なく悲しく、美しく温かい 泣きながらも前を向いて歩こうと思える秀作です。
とっても素敵な本でした。
今週もこの本を3名の方にプレゼントします。(土曜日11時37分〜放送)
↧
「青い約束」
↧