Quantcast
Channel: TOKAI RADIO FM92.9MHz/AM1332kHz
Viewing all articles
Browse latest Browse all 24230

「中国武術の魅力」

$
0
0

中国語圏(中国・香港・台湾など)映画ファンの私は、カンフーの技が見られる映画が大好き。
以前のものなら、かの有名なブルース・リーの『燃えよドラゴン』、ジャッキー・チェンの『蛇拳』『酔拳』などの拳シリーズ、最近だと『グランド・マスター』(2013/ウォン・カーワイ監督)などで、カンフーの妙技を見てウットリしています。
そんな中国武術を学校の体育の授業で取り入れ、クラブ活動も活発なのが愛知大学です。
選手として素晴らしい成績を残されたのち、コーチや審判員としても活躍されている原口さんと、大学職員で、愛知大学の中国武術部を指導されている大島さんのお二人に、中国武術(カンフー)の魅力について語っていただきました。

(ゲスト紹介) 
原口昭教さん
原口昭教さんは、1975年生まれ、岐阜県多治見市のご出身です。
16歳で中国武術の指導者、張成忠さんに出会い、18歳より本格的に武術を始められました。
1996年から2007年にかけて、愛知県大会において長拳部門で12年間連続優勝、全日本大会において、長拳、剣術、槍術の各部門で優勝、30個のメダルのうち11個を獲得されるなど、輝かしい成績をおさめられました。
2009年に武術選手を引退。現在は名古屋市で小学校の教員として勤務の傍ら、選手の育成や武術の普及、発展に力を注いでおられます。
現在は、愛知大学中国武術部コーチ、国体公開競技東海北陸ジュニアブロックコーチ、日本武術太極拳公認拳術一級審判員を務められています。


大島秀文さん
大島秀文さんは、1970年生まれ、愛知県春日井市のご出身です。
愛知大学法学部2年在学中、体育の授業で、原口さんと同じく張成忠さんに出会って中国武術に関心を持たれ、1991年に先輩と同級生が立ち上げた「中国武術同好会」に参加されました。
本格的に武術を始められたのは大学を卒業した1993年からです。
1996年から全日本大会、愛知県大会において、南拳部門に、2001年以降は南刀部門に出場経験があり、現在は愛知大学事務職員として勤務の傍ら、中国武術部コーチとして後輩の指導をしていらっしゃいます。

「中国武術」のご説明をお願いします。

原口
「武術は中国の国技で、日本でいえば相撲や柔道、空手のようなものです。
一般的には、中国映画でブルース・リーやジャッキー・チェン、ジェット・リーたちがやっているカンフー(巧夫)だと思っていただい  て結構です」

愛知大学には、「中国武術部」があって、活発な活動をしていらっしゃるそうですが・・・

大島
「豊橋キャンパスには『愛知大学武術研究会』名古屋キャンパスには『中国武術部』があって、それぞれ活発に活動しています。
私が関わっている名古屋キャンパス中国武術部には現在部員が38名、女子も半分いて、週に3回練習しています。
全国で中国武術部は10数校と、まだあまり多くはないですね」

現地の中国では、武術をされる方は多いんですか。

原口
「多いです…といいたいところですが、スポーツとして 真剣にやる人はあまり多くないですね。
日本の柔道や剣道と同じで、学校の授業でやっても、スポーツとして取り組む人はそれほど多くないのと同じです。
ただ、太極拳などは、日常の中に定着していますね。
公園などでやっている人をよく見かけます」

中国武術と、日本の空手の違いはどんなところでしょうか。

大島
「似てはいますが、日本の空手は直進的な動作やキメの形が多いなど、直線的な動きが多いような気がします。
それとは違って、武術には柔らかさというか、曲線やねじりが技の中に多いと思います。
動きが優美できれいなので、部活に女子が半分いるのは、それも理由かなと思います」

お二人の経歴をお聞きすると、武術家の張成忠さんに憧れて…
という部分が共通していました。張先生のどこに惹かれたんでしょうか。

(張成忠さんの経歴) 張成忠さんは武術家として中国でも有名で、さまざまな大会で獲得したメダルは49枚を数えるというプロ中のプロ。映画出演の経験もある。1989年から愛知大学非常勤講師として、大学の正課授業で中国武術を教えている。 同時に愛知大学中国武術部の指導もされている

原口
「技術がすごくて全然かなわないのはもちろんなんですが、それ以上に先生の生き方そのものが素晴らしい。
人柄は深くて優しく、柔軟性があって、礼儀正しいんです。人間的な素晴らしさが武術に出ている方です」

大島
「張先生の技には切れがあり、体の使い方からくる美しさがバランスよく表現されています。
また、人間関係…先輩、同輩をとても大切にされているという所にも憧れています」

お2人にとって、中国武術の魅力はどんなところですか。

原口
「終わりが無いところです。
同じ技をやっていても満足することがなく、常に発見があります。技によって新しい自分が見つかるんです」

大島
「武術の練習はすごくハードですから、汗が沢山出ます。ですから練習後はすごく爽快感がありますね。
そして練習していくうちに、自分の体の限界や難点を知ることが出来ます。
そして、どうやったらできるようになるのか考えながら練習することで、人柄も磨いて行けると思います。
何より武術を通じて原口君を始め、多くの先輩後輩と交流出来、全国の仲間とつながって行けるところが魅力です」

ちょっと下世話な話なんですが、もし悪漢が襲ってきたら、映画のようにカッコよく倒せるんでしょうか。

原口
「僕らは表演といって、型を演じて競技会に出るので、アクロバティックなことは出来るんですが、実際に悪漢が襲ってきたらどうかなァ…
100%逃げられる自信はありますが(笑)」

中国武術に対しての、これからの夢をお聞かせ下さい。

大島
「武術が好きで集まってきた皆さんと一緒に技を磨いていくことで、自分に向き合い、自分の限界や弱点を見つけ、自分を磨き、一緒に成長していきたいですね」

原口
「2011年から、国体で武術太極拳が公開競技になりました。
これからはスポーツとしての武術を発展させて、皆さんにもぜひ体験していただき、武術のスポーツとしての良さを分かってもらいたいものだと思っています」



今週のお話はいかがでしたか。
来週は、来週は、中国・北京大学教授の徐晋涛さんをお迎えし、いま北京で交通渋滞の切り札として期待されている、ある政策についてお聞きします。
どうぞお楽しみに。 


 (「チャイナ・なう」パーソナリティー 高野史枝)



Viewing all articles
Browse latest Browse all 24230

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>