経営破綻し民事再生手続き中のスカイマークは、なかなか支援の枠組みが固まりません。そんな中、アメリカの大手航空会社デルタ航空が、支援企業に名乗りを上げたと報道されました。ANAの支援を受けて再建を目指すスカイマーク案に対し、最大債権者であるアメリカの航空機リース会社「イントレピッド・アビエーション」が自社の再生計画案で、デルタ航空がスカイマークの支援に加わることを明らかにしました。この先どう展開していくのでしょうか?
写真はセントレアの滑走路RWY36を離陸するスカイマークのボーイング737-800です。
スカイマークの再建案ではANAホールディングスの支援を軸にしています。ANAは国内ナンバーワンの航空会社で、エア ドゥやソラシドエア、スターフライヤー、アイベックスとコードシェアをし、事実上、傘下に収めているとも言えます。そこに、羽田の発着枠の8%を持つスカイマークが加わると、寡占状態が進むという懸念もありますが、他社の再建での実績は安心感があります。写真は成田空港B滑走路RWY16Lに着陸するANAのフラッグシップ、ボーイング777-300ERです。
デルタ航空はユナイテッド航空と世界の1・2位を争う、アメリカの巨大航空会社です。航空アライアンス「スカイチーム」の中核エアラインで、合併したノースウェスト航空の充実した日本路線を引き継いでおり、日本からの以遠権を利用して成田とアジア各地を結んでいます。本来の意味で成田をハブ空港にしているのはデルタとユナイテッドの2社です。
以前JALが経営破綻した際、「支援するのでワンワールドからスカイチーム移りませんか?」とラブコールを送ってきましたが、JALはワンワールド残留を選択しました。
外国の資本は1/3までしか日本の航空会社の株式を持てないルールになっており、デルタの出資比率は20%と伝えられています。ジェットスタージャパンは、オーストラリアやアジアのジェットスターと見た目、ほとんど変わりません。スカイマークが、運航や整備の支援を受ける過程で、デルタの事実上の傘下に入ったら、どうなるのでしょうか?とりあえずスカイマークが運航する便にデルタの便名が付き、スカイチームのマイルが貯まるのでしょうね。
写真は成田空港のA滑走路RWY16Rに進入するデルタ航空のボーイング747-400です。以前に比べて数は減りましたが、ボーイング747-400を成田に乗り入れています。
ごく短い期間しか運航できなかったスカイマークのエアバスA330-300です。セントレアで昨年5月、訓練をしていたときの写真です。スカイマークの最大の債権者、アメリカの航空リース会社イントレピッド・アビエーションに次ぐ債権者は航空機メーカーのエアバス、航空機エンジンメーカーのロールスロイスが続いています。債権額の過半数と債権者数の過半数、両方を満たさないと再建案は可決されないと言われています。どちらにしても再建に向けて動き出してくれることを期待します。