2014年カンヌ国際映画祭最高賞パルム・ドール受賞作『雪の轍』(トルコ映画)を観ました。
世界遺産のトルコ・カッパドキアの洞窟ホテルと
莫大な資産を受け継いだ初老の元舞台俳優が主人公。
慈善活動に熱心な若く美しい妻(これがまたベッピンさんや!)とは
すれ違い、避けられているようなしっくりしない関係。
出戻りバツイチの妹には、
執筆している地方新聞のコラムをもとに人格否定までされてしまう。
そして、家を貸していた貧乏な家族からは、思わぬ恨みを買ってしまう。
本人は、善良で公正で教養ある「立派な人間」であろうとしているのに、
どうもことごとく裏目に出てしまっている。
たまに流れる音楽はシューベルトのピアノソナタ。
美しいカッパドキアの風景の中での濃い会話劇。
高尚で理屈っぽい映画で、合う合わないはあるでしょう。
しかし、いい夫やいい父であろうとするけど、
一方的な押し付けや空気や女心が読めないことで疎ましがられる
「よくあるお父さん」が描かれているようです。
「俺の何がいけないんだ!!」
おっさんは孤独なのです。
伏見ミリオン座で7/11(土)から公開中。
岐阜CINEXでは9/5(土)から、三重 進富座では8/29(土)から公開予定。
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映画「雪の轍」
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