広島空港でアシアナ航空のエアバスA320型機が着陸に失敗した事故は、運輸安全委員会の調査が続いており、フライトレコーダーやボイスレコーダーの解析が始まったようです。今回の事故は幸い死者は無く、負傷者も軽傷で済みました。しかし、A320の機体はおそらく用途廃棄(車だと廃車)になると思います。クラッシュや火災は起きていませんが、主翼回りや水平尾翼、エンジンや主脚に多数の損傷があり、広島で応急修理をして韓国まで飛んでいくのは、まず不可能でしょうね。広島空港は明日の朝から運用を再開するそうですが、ILSが使えない状態はしばらく続くと思います。写真は2011年、元日の静岡空港で撮りましたが富士山は上が雲に隠れています。
日本の航空会社は1985年8月12日の日航ジャンボ機墜落事故以降、乗客が死亡する事故は起こしていません。それ以後、国内では外国の航空会社が重大な事故を起こしています。台湾のチャイナエアラインは中華航空の名称を使っていた1994年4月26日に、エアバスA300-600R型機が名古屋空港で墜落し、乗客・乗員271人のうち264人が亡くなり、7人が重傷を負う大事故を起こしました。また死亡事故ではありませんが、2007年8月20日、那覇空港でボーイング737-800型機がスポット到着時に火災を起こし、乗客乗員の脱出後に炎上する全損事故を起こしています。写真はセントレアを出発するチャイナエアラインのエアバスA330-300です。
ガルーダ・インドネシア航空は1996年6月13日、福岡空港で離陸を中断したマクドネル・ダグラスDC-10-30型機がオーバーランし、乗客乗員275人のうち3人が死亡、地上で被害に遭った人を含め109人が負傷しました。写真はガルーダ・インドネシア航空のボーイング777-300ERの成田空港の離陸シーンです。
写真は成田空港に着陸するアメリカの航空貨物会社フェデックスのマクドネル・ダグラスMD-11Fですが、同型機が2009年3月23日、成田空港で着陸に失敗し、バウンドした後で完全にひっくり返り、爆発炎上しました。パイロット2人が死亡し1978年に開港した、成田空港で初の全損・死亡事故となりました。成田空港の外周にある「さくらの丘公園に」事故の犠牲者を痛む碑があります。また、福岡空港のガルーダ機オーバーラン事故現場に近い、滑走路南側の公園と、名古屋空港の南東に隣接した中華航空機墜落事故現場に近い場所に、慰霊碑があります。名古屋空港以外は撮影中にたまたま見つけ、手を合わせましたが事故の記憶を風化させてはならないと思います。