今日（4月10日）愛知県春日井市内のホテルで三菱重工と三菱航空機からＭＲＪの開発状況と量産準備状況の説明会があり、6月までに予定していた初飛行を9月〜10月に延期することを発表しました。説明会のあとにＭＲＪの工場見学会もありましたので、三菱航空機提供の写真をご覧いただきながら、報告したいと思います。この写真は三菱重工小牧南工場の飛行試験機組み立てハンガーに並ぶＭＲＪです。手前の4号機は組み立て途中です。1号機と同じカラーですが、他の3機は実は違うのです。
ＭＲＪの飛行試験機2号機は赤いラインが入っています。すでにエンジンが取り付けられています。その向こう側に1号機があり、今日は、フラップやスポイラーなどを動かす場面を見学できました。1号機の初飛行が遅れることについて、安全性、信頼性そして完成度の高い飛行機を納入するために、初飛行を遅らせる決断をしたと説明がありました。その対策として、試験飛行を高い頻度で行うため、当初3機をアメリカでテストする計画だったのを4機に増やし、必要な飛行時間を確保して2017年の第2四半期の納入時期を守る。とのことです。
3号機は黒いラインが入っています。アメリカで試験飛行を行う拠点はワシントン州のモーゼスレイク。かつてＪＡＬの訓練拠点があり、ボーイング747の乗員訓練が行われていました。試験飛行を行うには、とてもいい環境であることは間違いないでしょうね。
これは5号機の胴体ですが、今日は写真に写っている部分が塗装中のため最後部のテイルコーンだけが見られました。実はＡＮＡのカラーに塗られていました。垂直尾翼にはＡＮＡのロゴが入り、胴体前方にＭＲＪのロゴが入るデザインになります。この5号機は国内だけで試験飛行を行う計画です。
楽しみにしていたＭＲＪの初飛行が延びたのは残念ですし、今後、タイトな試験飛行のスケジュールが順調にこなせるのか、いささか心配ではありますが、Ｈ2Ａロケットの打ち上げを21回連続で成功させている三菱重工の技術力に期待したいと思います。