昨日見た海外からのニュース映像で驚きだったのが、大韓航空の女性副社長が報道陣の前で辞任会見し、謝罪しているシーンです。ニューヨークから乗った自社機エアバスＡ380のファーストクラスで、おつまみのナッツの袋をそのまま乗客に渡したのはマニュアル違反だと激怒。担当女性ＣＡと客室責任者の男性パーサーを呼びつけて、ひざまずかせて謝罪をさせ、動き出した機体をスポットに戻し、パーサーを降機させたと報道されています。「ナッツリターン」という言葉まで生まれました。さらに、パーサーに対し会社ぐるみの隠蔽工作を企てたとも伝えられています。ひどい話ですね。周囲のお客様が、不愉快にならないよう、小声でいさめるのが、上に立つものの取るべき態度だと思いますが…。写真はセントレアのＲＷＹ36を離陸、上昇する大韓航空のボーイング777-200です。時刻表によりますと、このタイプの機体にもファーストクラスが設けられています。
問題の女性副社長はチョ・ヒョナ氏（40歳）。大韓航空の親会社の財閥・韓進グループの会長チョ・ヤンホ氏の長女です。チョ・ヤンホ氏は2018年ピョンチャン冬季オリンピックの組織委員長を務める有力者で、大韓航空のオーナー家と言えます。チョ・ヒョナ氏はアメリカの大学・大学院を出て大韓航空へ入、りスピード出世で副社長まで上ったようです。しかし、肝心の帝王学（女帝学？）を学ぶことなく、このポストまで来てしまったと思われます。父親も「私の教育が間違っていた」と謝罪していましたが、暴君のような態度は航空会社に限らず、上に立つ者として許されるものではありません。
かつて大韓航空はテロの標的になったり、領空侵犯でジャンボ機が旧ソ連軍に撃墜されたこともありました。さらに事故も重なり、在韓米軍から利用停止の措置を取られた時期もあったほどです。いまや、世界最大の旅客機エアバスＡ380を運航する、世界有数の航空会社になりましたが、今回のスキャンダルによるイメージダウンは免れないでしょうね。写真はセントレアを離陸する大韓航空のボーイング777-300ＥＲです。長距離路線用の機体ですので、立派なファーストクラスがあります。